名刺と黄金比

なぜ「名刺4号」が一般的なサイズとして使われるようになったのかについては諸説ありますが、1854年にフランスの写真家ディスデリが考案した写真付き名刺のサイズが「82×57mm」で、これが後の名刺のサイズに影響を与えたといわれています。
昔の日本では長さの単位として「尺」と「寸」を用いており、ディスデリの名刺の82mmに一番近いのが3寸。それに対してもっとも美しいとされる比率から導き出した55mmを短辺の長さとして採用したといわれています。この長辺と短辺は「人間が最も美しいと感じる比率=黄金比」になっていて、その比率は1:1.618。トランプやキャッシュカードなど身の回りにあるものや、ギリシャ・アテネの「パルテノン神殿」、エジプト・ギザの大ピラミッドなどもこの黄金比でつくられています。
名刺もトランプやキャッシュカードと同様に、人間にとって自然と受け入れやすい、バランスのとれた大きさでつくられるのが一般的になったというわけです。

日本では古来から計量法に「尺」や「寸」の尺貫法を用いていました。 名刺は、長辺の3寸(約91ミリ)が基準となり、短辺は1寸8分(約55ミリ)が長辺に対する黄金比となります。 そのため、91ミリ×55ミリの名刺が一般的なサイズとなりました。